「…大魔王さまのお言葉はすべてに優先する…」(by ミストバーン)
そんなミストバーンの言葉を胸に抱きつつ、今日という日を迎えました。
15話「大冒険への旅立ち!!」
「手ひどくやられたな…ハドラー…」
「まあ気にやむことではない」
「勇者アバンを葬った功績を考えれば 名誉の負傷というところであろう……」
「余はおまえに全幅の信頼を置いておる
宿敵アバンがこの世から消えた今 我が魔王軍に敵はいない!」
「かつて成しとげられなかった世界征服の夢をかなえるがよい!!」
32話「パプニカをめざせ!」
「ハドラーよ…これが閃熱系最強の呪文ベギラゴンだ」
「おまえに与えたその新たな肉体とともに アバン抹殺の褒美として受けとるがいい…」
「…その力をもって…早々に世界を制圧せよ…!!」
「ヒュンケルがアバンの指導を受けたのは奴を倒すため」
「見上げた根性ではないか…」
「それに不死騎団は余の力に異変が起これば戦力が低下する」
「それを無理なく統率するには 生命ある人間が最適なのだ」
「………目だ…」
「あの目が素晴らしい 己れ以外のすべてを呪い
やり場のない怒りをみなぎらせた目が な」
「あれこそまさに余の理想…魔界の戦士はああでなくてはいかん……
フッフッフッフッ…」
65話「フレイザードの執念」
「うむ…見事だハドラー 実にたのもしい顔ぶれ…」
「余は大変満足しておる…」
「では 六大団長の誕生を祝して 余が特別に褒美をとらせよう…」
「これは"暴魔のメダル"…いわばこの余への最大の忠誠心の証だ」
「さあ 我にと思わん者は手にとるが良い」
「…見事なり フレイザード!!」
84話「笑う大魔王」
「一同大儀であった」
「面をあげよ」
「…面白い事になっているようだな…」
「……まことか?ハドラー…」
「…ミストバーン…お主はあの小僧の力をなんと見る…!?」
「そうか…」
「ふっ…ふふふっ…!」
「ふはははははははっ…!!」
「ふふふふっ…愉快だ 実に…!」
「ただでさえ同じ時代に2人と現れるはずのない竜の騎士が
そろって余の配下に加わるかも知れぬとはな…!!」
「……うむ もしバランが見事息子を我が軍にひき入れることに成功したら…」
「やつに魔軍司令の座をまかせてもよい」
「余の決定に変更はない…!」
「むうっ!?」
「…どうやらそう すんなりとは 事が運ばんらしい」
114話「最後通告」
「ご苦労」
「…ハドラー 面をあげよ」
「どうした…?面をあげるがいい」
「愚か者…!!!」
「おまえのつまらぬ小細工を見ぬけぬ余だとでも思ったか…!! バランの失態は
余にすらダイが竜の騎士であることを明かさなかった おまえの罪だッ!!!」
「…それにバランはおそらくもう戻らん…
あの男の性格から考えても もはやダイの事以外に行動を起こすまい」
「余のために無関係の人間を滅ぼしたりはせぬだろう…」
「バランは余にさからいうる力を持つ地上唯一の男」
「説得し 味方にひき入れるのには苦労したのだが…な…」
「…ハドラーよ 今一度言う」
「…面をあげよ」
「余は寛大な男だ」
「失敗も…三度までは許そう…」
「しかしおまえは」
「ロモス パプニカを奪回され 我が軍の有能な軍団長二人を敵に回してしまった…」
「…さらにバルジ島においては 全軍を率いたにもかかわらず
ダイをうちもらした…!!」
「…そして 今回のバランの一件…!」
「……」
「…だが…」
「あの勇者アバンを葬った功績を余は忘れておらん…」
「ハドラー これが最期のチャンスだ」
「もしおまえが次に余の前に現れた時 勇者ダイとその仲間を
全滅させていなかったら…余はこの三本目の指を折る!…よいな」
「奴には最強の肉体を与えている 勝てないのは精神的なもろさがあるからだ
おいつめられれば もう一化けするかもしれぬぞ」
「殺すのはいつでもできる」
「見とどけてやろうではないか…ハドラー軍団最後の戦いを…!!」
158話「最終決戦の予感」
「……よい…二人とも」
「今日の余の心は実に晴れやかだ…」
「あの雲間からさしこめる太陽のように…」
「おまえたち二人にしか見せた事のない余の素顔をハドラーに見せてやることが…」
「余のハドラーに対する何よりの評価の証と思うてな…!」
「…どうした?」
「あまりに枯れた年寄りなので拍子抜けしたか…?」
「そうだ…」
「余がバーン」
「大魔王バーンだ」
159話「我が名はバーン」
「…ためしてみるか?ハドラー…」
「…ふふふっ よい よい… 余はかねてよりおまえのそういう所を気に入って
おったのだ その尽きることを知らぬ覇気と強さのみを信じる心をだ」
「最近 少々おまえらしからぬ態度が目立っていたゆえ
そのように覇気があるところが見れて 余も安心しておる…」
「ふっふっふっ…」
「余の狙い通りおまえは殻を破った
今や この余の力に限りなく近い力量にまで達したといえるだろう」
「…先の通告はこの際 破棄する
今後とも余の片腕として魔軍指令の使命を遂行してくれ…」
「!?」
「………」
「…勇者の輩か…?」
「………んっふっふっ…」
「ふははっ…まあそうあらたまる必要もない ハドラー…」
「勇者ダイたちこそ我が軍最大の障害
それを倒すのに 余が何の異論をはさむというのだ?」
「…六大団長も今や半壊状態… ならば その総指揮はおまえがとらずともよい…」
「…ミストバーン…お主が指揮官となれ…」
「魔軍指令ハドラーとその親衛隊には この死の大地の守護を命じる…!」
「それならば異存はなかろう?」
「…なぜならば もしダイたちが生きておれば
やつらは必ずや ここへ攻めてくるであろうからな…」
「余の首を取りに…」
「……ん」
「…おまえは現状のままで良い…キルバーン…」
「……もう少し…手駒が欲しいところではないか?」
「ハドラー」
「…このチェスという遊び…なかなかに奥が深い
今は人間たちの遊びと思われているが 元々は神々が考え出したものだからな…」
「チェスの面白さは5種類の能力が違う駒を駆使して王を守り抜くことにある
前進し敵を倒す兵士」
「八方へ跳躍し宙から襲いかかる騎士」
「前後左右へ自在移動して 突進力で敵を駆逐する城兵」
「同じく斜めに自在移動する神出鬼没の僧正」
「そして…城兵と僧正の機動力を合わせ持つ…」
「最強の駒 女王…!!」
「その通り…さすがに見抜いたな…」
「その五つの駒…おまえにくれてやろう どうせ指す相手もいなくなって久しい…
かつてフレイザードを生んだ禁呪法を使い
その駒から おまえを王と仰ぐ 最強の軍団を生みだせたら…」
「…面白いとは思わんか?」
「ん?」
162話「鋼の親衛隊」
「ん?ふっふっ よいではないか…」
「しょせんガーゴイルやアークデーモンなどでは
今のハドラーの親衛隊はつとまらんからな…」
「…来たか」
「…素晴らしいぞ ハドラー その親衛騎団の王はおまえだ
見事アバンの使徒を討ち倒し 世界を制圧した暁には
この地上…おまえにくれてやろう…」
「その時こそ…」
「再び"魔王"を名乗るがいい…!!」
165話「つかめ!!最強の力」
「キルバーン」
「…おまえに本業を頼みたい…」
「アバンの使徒では無い…それにおまえでも殺れるかどうかはわからん…」
「…だが あれも所詮は人の親だ」
「今は静観をきめこんでいても どう転ぶかはわからん…」
186話「突撃!!大魔宮」
「僧正が動いた…」
「これはハドラーの指示ではないな…」
「予測不能な戦局だ…」
「なかなかに面白い…」
フフフッ
188話「開かれし扉!!!」
「………」
「代わりをもて」
「…………」
「…大したものだな」
190話「ハドラー不敵な挑戦!」
「…いよいよはじまるな…」
「この戦いの最大のクライマックスが…」
「どちらが有利と見る…?」
「…自殺行為か だが それもすべて自らを追いつめて極限の力を
ふりしぼろうという ハドラーの策に思えるがな…」
「…それは無い…」
「…それは絶対にありえんことだ ミストバーン…」
「…あの2人が余の顔を見ることは決して無い」
192話「爆弾を抱えた魔王!!!」
「…だから言ったであろう?あの父子が余の顔を見る事は決して無い…と」
「たとえハドラーが敗れたとしても その体内に埋めこまれてた黒の核晶が
爆発すれば最悪相討ちにもちこめるというわけだ」
「…まあ この死の大地も消えて無くなり
地上の親衛騎団たちも巻きぞえをくうだろうが 大魔宮には影響は無い…」
「今 ハドラーたちがいるのは いわゆる"外周"の部分だからな…」
「…心配するなミストバーン」
「おまえにあんな物騒な物はついとらん」
「つけようはずが無いではないか…ん?」
「ハドラーとて最初から捨て駒にする気は無かった
ただヤツを死の淵から救った時 万が一のために埋めておいたものなのだ」
「ところがヤツは自分を超魔生物に改造していまいおった
この事は余にすら予想外なことであった…」
「限界を越えたパワーアップが黒の核晶に影響を与えてしまったのだ」
「もはや あの爆弾はいつ火がついてもおかしくない状態にある…!!」
「ハドラー自身にもその兆候が激痛となって現れているはずだ」
「もっともヤツ自身は 超魔改造による反動ぐらいにしか思っていないだろうがな…
ふっふっふ…」
「…結果の見えた勝負というのはつまらぬものよ…」
「興がそげる…」
「…だが終わりまで見届けてやらねばな」
「可愛い余の片腕の最後の晴れ舞台になるかもしれぬのだからな…」
193話「攻撃不能・・・!?」
「バランは気づいたな」
「"黒の核晶"がハドラーに入っていることを…」
「そういえばヤツはヴェルザーと戦っていた事があったらしい…」
「核晶の秘密を知っていても不思議では無い…」
「…良かったなミストバーン」
「これでハドラーにも勝機が出てきた」
「竜の騎士の必殺技や呪文は威力が強大すぎて誘爆の可能性が高い」
「それを恐れて やつら2人は魔法力を使わんからな…ふふふっ」
「それに…」
「いざとなれば…」
197話「竜魔人逆襲!!!」
「…うかつに獣の巣をつついてしまったな…」
「…どんな動物でも巣をつつかれては怒る 相手が自分より強い動物でも
我が子を守るために すさまじい力を発揮して逆襲してくる」
「…それと同じ事だ」
「ダイに深手を負わせたことがハドラーにとっては逆に仇となったようだ…」
「…これまで…かもしれんな…」
「……やむをえん…」
「…ハドラーに勝ち目が無い以上そうしてやるのが情けというものよ」
「…違うか?」
「…余が この指先から魔法力を飛ばしただけで…」
「あの核晶は爆発する…!!」
「…次にバランがハドラーと接した時…」
「…それが…」
「最後の時だ…!」
「…ん!?」
「…ホウ…」
「まだ戦おうというのか ハドラー…」
「…最後の執念見事であったぞ ハドラー」
「だが案ずるな おまえの望み通り…死してもバランたちに一矢を報いてやる…!」
「……今…この場でな…!!!」
「……砕け散れッ!!」
「黒の核晶よっ!!!」
「なっ…なにっ!!?」
「バ…バカな…!世の魔法力は確かに放たれたはず…!!」
「何故 核晶が爆発しない…!!?」
「!!?」
198話「戦慄の魔法力!!!」
「…仕方あるまいキルバーン…」
「竜魔人と化したバランの闘気の力がこれほどまでとは余も思わなかった
余の放った魔法力をはじくとは…たいした奴よ…」
「…まぁ いかに竜闘気におおわれているとはいえ 核晶を作った余が
自らが真近まで赴けば爆発させるのはたやすいはずだが…な…!」
「……やむをえん…」
「余が直々に出向き 核晶ごと消してくるとしよう…」
フッ
「……許す…!」
「ミストバーン…!」
200話「大魔宮出現!!!」
「…そうだ」
「あの力は危険だ」
「むやみにさらしくおくものでは無い」
「ご苦労であったな ミストバーン」
「…終わった…すべてが…」
「勇者の輩も…バランも…邪魔者はこの世から消えた…」
「…死の大地とともに…」
「…そう…我々と…」
「この大魔宮のみだ…!」
「あとは地上そのものが消えて無くなるだけ…」
「ふっ…ふっふっふっふっ…!!」
「……妙だな…」
「死の大地の岩山の残りが海へと落下しているが…」
「数が多すぎる気がする…」
「あの黒の核晶の爆発ならば この大魔宮以外はすべて灰になってもおかしく無いはずだ…」
「………まさか…」
「ミストバーン」
「どこかに生存者がいないか…悪魔の目玉にさぐらせろ…」
「……アバンの使徒…!」
「……おそらくバランが爆発の瞬間全生命力をもって その威力を抑えこんだのであろう…」
「そのおかげで爆発力は半減し 消滅しそこなった岩山がやつらを爆発の直撃から救ったのだ…」
「…ふっふっふっ…なんとまあ 悪運の強いやつら…!」
201話「天かける不死鳥」
「……ただのもてなしというわけにはいかんだろう…」
「この余が誇る大魔宮へのはじめての来客だしな…!」
204話「大魔王からの褒美」
「……いかにも…」
「余が大魔王バーンだ…」
「……キルバーン!」
「…つまらぬ脅迫はよさぬか…」
「何のために余がわざわざ出向いたと思っているのだ…?」
「…よくぞここまで来た」
「見事であったぞ」
「……余はおまえたちの敗北を確信していた
ハドラーとその親衛騎団の力ならば確実に勝利を収められるだろうと
その上 ハドラーの体内には"黒の核晶"があった…」
「この大魔宮が大空を駆ける時……それはすべての敵を片づけた暁のはずであったのだ…」
「まさに奇蹟だ…!」
「いかにバランの力を借りたとはいえ この場におまえたち全員が立っている事は
奇蹟という以外にない…!」
「褒美をとらせよう……と思ってな」
「余 自らがおまえたちの奇蹟的な健闘をたたえて…」
「…そこで余は考えた おまえたちが一番欲するもの…それはおそらく」
「……余の…」
「生命であろうな…?」
「だが…!このミストバーンとキルバーンもハドラーと同格…
いや あるいはそれ以上の兵強者だ」
「我ら三人が同時に戦っては天地が裂けても余を討つ事はできまい」
「…だからチャンスをやろう!二人にはいっさい手出しさせん」
「余のみでおまえたちと戦ってやる…!」
「それが褒美だ 素晴らしいであろう?」
「余がこの二人抜きで行動することなど 数百年に一度あるか無いかのことだぞ」
「……どうした?」
「まさかいやとは言うまい…?」
「……では…」
「相手をしよう…!」
「…!」
「…おお 忘れておった…」
「その男……」
「竜騎将バランにも 何か餞をくれてやらんとな」
「伝説にたがわぬ勇猛な戦いぶり見事であった…」
「だが悲しいかな 心が人間に近すぎたな…」
「…その男にはせめて"人間らしい最期"を与えてやろう…!」
「これは失礼…」
「火葬より土葬のほうがお好みだったかな…?」
「……おやおや 肝心の勇者が真っ先に死んでしまったか…」
「これではもう余の身体に傷をつけられる者は一人もおらんな…」
205話「次元の違い・・・!!!」
「…拍子抜けだな…」
「せっかくチャンスを与えたのに……」
「…父の後を追うか…」
「勇者よ…!」
「…今のはメラゾーマでは無い…」
「メラだ…」
「…同じ呪文といえども使う者の魔法力の絶対量によって その威力は大きく異なる」
「つまり余のメラとおまえのメラゾーマでは 余の呪文のほうが威力が大きいということだ…」
「…仕方の無いことだ 次元が違いすぎる ここまで 差があったとはな…
魔王軍の猛攻を次々と打ち破りここまで来たからにはもう少しレベルの高い輩だろうとかいかぶっておったわ…」
「先程の勇者への一撃にしても 余は相手の攻撃に合わせて軽く闘気を放ったにすぎん」
「……このようにな…!」
「……もうよい…」
「…力の無い者があがいている所もそれなりに楽しめるが…もう無理をするな
…半端に希望を与えるような真似をしてしまった 余が間違っておったようだ…」
「たとえ勇者が加わったとしても戦局は全く変わるまい」
「せめてもの償いに…」
「…余がこのまま苦しまずに死ねるようにしてやろう…!!」
「……これが…」
「余のメラゾーマだ…」
「その想像を絶する威力と優雅なる姿から太古より魔界ではこう呼ぶ…」
「カイザーフェニックス!!!!」
「はッ!!!!」
206話「絶望のバトル!!!」
「……ムッ?」
「……澄んだ目だ…気に入らんな」
「昔のおまえはもっと魅力的だったぞヒュンケル」
「……ほう」
「…覚えておくのだな」
「これがマホカンタだ…!」
「!?」
「……知らなかったのか…?」
「大魔王からは逃げられない…!!!」
207話「太陽を我が手に・・・!!」
「……終わりだな」
「今度こそとどめを…!」
「…むっ!?」
「……やってみるかね?」
「…たしかにこれは千載一遇のチャンスだぞ…これは…」
「側近に手出しをさせぬうえに余は片腕…攻撃の速度もにぶる…」
「…だが 魔族が身体を再生できることは知っていよう?」
「ぐずぐずしていると機を失う…」
「…さあ…どうする…!!?」
「……」
「面白いね」
「おまえたち人間は面白くはないのか?」
「鍛えあげて身につけた強大な力で弱者を思うようにあしらう時 気持ちよくはないのか?」
「優越感を感じないのか?」
「"力"ほど純粋で単純で美しい法律は無い 生物はすべからく弱肉強食 魔族も竜も皆そうだ」
「人間だけが気取った理屈をつけてそこに目をそむけておる」
「」
「……力こそがすべてを司る真理だ!」
「……おまえたちは知らぬのだ…!!」
「その平和とやらもより強大な力によって支えられていることを…!!!」
「そう!」
「神々の力によってだ…!!!」
「我らが故郷 魔界はおまえたちの大地のはるか地底に存在する世界だ」
「マグマがたぎるみわたすかぎり不毛の大地…
なにより魔界には すべての生物の源たる太陽が無い…」
「……太陽…素晴らしい力だ」
「いかに我が魔力が強大でも 太陽だけは作り出すことができん…」
「だが神々は人間に地上を与え 魔族と竜を魔界におしこめた!!」
「人間が我らより脆弱であるというだけの理由でだ!!」
「だから余は数千年にわたって力を蓄え 地上を跡かたもなく消し去る準備を整えてきたのだ」
「間もなく地上は消えて無くなる…!!そして我らが魔界に太陽がふりそそぐのだ…!!」
「…その時余は 真に魔界の神となる」
「かつての神々が犯した愚行を余が償うのだッ!!!!」
「…とうとうあきらめたか…」
「まあ思ったよりは楽しめた」
「……ご苦労…」
「地上の勇者たち…!!」
「!!?」
「……」
208話「不屈の勇者・ダイ!!!」
「…生きておったのか」
「たいした生命力だ…」
「だが 今なんと言ったのかね?」
「よく聞きとれなかったが…」
「……フム…やはり聞き間違いではなかったのだな
この余の力を前にして正気でそんな言葉を吐くとは思い難かったのだが…」
「!!?」
「……認めよう」
「傷つき絶望した仲間に生気を与えたその魂の"力"だけは……」
「だが魂で余は殺せぬぞ…!」
「おまえの正義を余に説きたくば 言葉でなくあくまで力で語れっ!!!」
「カイザーフェニックス!!!!」
「……遅い!」
フッ
「……!!!」
……余の第2撃にも反撃が追いついたか…!
それだけではなくカイザーフェニックスの威力を押してここまで剣圧を…!!
「……よかろう」
「かああっ!!!!」
…なにっ!!?
バカな
ミストバーンよ お主が余がやつにこれ以上傷つけられるとでも言うのかっ…!!?
「!!?」
「……おおっ…!!!」
209話「恐怖の切り札!!」
「……これほどとは思わなかった 竜闘気…攻防の力を兼備した恐るべき能力だ…!」
「そのうえロン・ベルクが作ったというあの剣の威力もプラスされているのだから 手に負えん…」
「……素手では勝てんな」
「……余も使わせてもらうぞ…」
「愛用の…」
「伝説の武器をな…!!」
「…これが余の武器…」
「その名も"光魔の杖"だ!!!」
「……これでもはや結果は見えた…!」
「両者が同じロン・ベルクが作った武器を持った以上
その本来の強さが勝敗を決するのは当然の話!!!」
「……ふっ うそではない」
「気むずかしい男だがヤツはもともと魔族…
おまえたち人間に武器を与えてやるほうが珍しいのだからな……」
「……見るがいい…!」
「ヤツの最高傑作をっ…!!!」
「…吸えッ!!!我が魔法力をっ…!!」
「そして自らの血肉とするのだっ!!!」
「……さあ!」
「試してみよ!!!」
210話「折れたる剣・・・!!!」
「…完全に戦意喪失か」
「仕方あるまい 強い者ほど相手の強さにも敏感だ」
「余とこれほどの時間を戦えた者は今までもほとんどおらん」
「誇るのだな…」
「あの世で…」
「…これがうぬらの最後の光景だ!!!」
「カラミティウォール!!!!」
「…無駄だ無駄…!!」
「一度放ったカラミティウォールは誰にも止められはしないっ…!!」
「ハドラー……!!!!」
211話「まさか!!?の救援者」
「……驚いたぞハドラー」
「おまえが生きていたというのもさる事ながら…」
「あの勇者たちの味方をするとは…な!」
「……案ずるな」
「おまえはもうすぐ死ぬ…!!」
「黒の核晶はもはやおまえの血肉の一つと化しておったのだ」
「それを摘出してしまったからには長くは生きられん…!」
「……だが何よりも…!!」
「最大の理由はおまえが今この場で世に処刑されるということだ!!」
「…いかに余が長年おまえにチャンスを与えてきた寛大な男でも
目の前の獲物をさらわれて笑っているほど甘くはないぞ!!」
「…したがっておまえはもう生きがいの心配などする必要はない…!!」
「……死ね…」
「ハドラー…!!!」
「な…なにィッ!!?」
「なっ…!!」
バッ…バカなっ!!!この余の攻撃をはじき返したっ…!!?
まっ…まさか!!?
ヤツには死して甦る度に強くなる不死身の肉体を与えていた……
だが 余の暗黒闘気なくば復活できない
ゆえに超魔生物と化した今となっては もはやその力は失われたと思っておったが…!!!
ヤツは自力で死の淵から甦った!!!
そして いまや余に匹敵するほどの強さを身に手に入れつつあるのでは…!!?
212話「思わぬ伏兵!!!」
「おっ…おのれハドラー!!!」
「少々力が増した程度でこの大魔王に勝てるとでも思うのか!!?」
「!!?」
そっ…そうか!!!
ダイたちとの戦いで光魔の杖を使ったため
余の魔法力全体がかなり減少してしまっているのかッ!!?
そういえば同じオリハルコンのダイの剣はヘシ折れたのに
この覇者の剣は折れんっ…!!!
…威力が…
弱まっている…!!?
「……ぬっ…」
「ぐぬうううっ!!!」
「カイザーフェニックス!!!!」
「……うぬぅっ…!!」
「!!!」
「……超魔爆炎覇かっ!!!」
「…よくやったぞザボエラ…そのまま離すでない…!!」
「!!!」
「ハドラーは…」
「どこへっ!!?」
213話「世界破滅への序曲!!!」
「……逃がしたか…」
「城兵…」
「…そうか "キャスリング"というやつか…」
「チェスにはそういうルールがあるのだ 一手で王と城兵の位置を
入れかえることにより 攻撃を円滑にしたり王を守ったりできる…」
「あやつは城兵の駒から生まれた戦士…その能力を秘めていても不思議ではない…」
「…だが余はハドラーにとどめを刺す寸前だった…」
「これがチェスの勝負ならチェックメイト後のキャスリングは…」
「反則だ!!」
「……おおっ…!!」
「聖母竜…マザードラゴン…!!」
「……この勝負…」
「余の勝ちだ…!」
「……もはや余の行いに水をさす者は誰も現れまい」
「たとえあの聖母竜が新たな竜の騎士を誕生させたとしても
それが一人前になるのは10数年後…」
「……だがこの地上が灰になるのは10日とかからんのだからな…」
「ふっふっふっ………」
「後はハドラーの捨て鉢な反抗にだけ 気をつければ良い…」
「…行くぞ…皆の者よ…」
「世界に破滅をもたらすために…」
215話「カールの女王」
「…味気ないな」
「こうも何事もなく事が進むと…」
「……まだ余にたてつく分子がくすぶっているというのか…?」
「……いぶり出してみるか…」
「そのために"あれ"を捕らえてあるのだからな…!!」
217話「処刑宣告の罠!!!」
「……消えよ!!!」
229話「邪悪の杯・・・!!!」
「…太陽が…今 最も高く…」
「強く輝いている…!!!」
232話「結集!!5人の使徒」
「…生きておったか…」
「…覇気があるな」
「この間とは別人のようだ……」
「……居直ったか…!!?」
フフッ
「…どうしたミストバーン?」
「何を動揺しておる…?お主の力ならなんなくその場のすべての者を片づけられよう」
「どうせやつらがいくらはしゃいだところでこの大魔宮に登れるわけでも無し…」
「……ゆっくりと…」
「余にはむかう者どもに地獄を味わわせてやれ…!」
233話「ロン・ベルクの秘密」
「………どうしたのだ…」
「ロン・ベルク」
「…まあ待て」
「…ロン・ベルク 余はおまえを非常に高く評価している
できれば永久に我が下を離れてほしく無いのだがな…」
「おまえの作った光魔の杖は余にとってまさに最高の武器だ
他の武器の出来も素晴らしい」
「そう言わず考え直してくれぬかな…?」
「…そうだろうな おまえにはそのセリフを吐く資格がある」
「それだけの強さを秘めているからな…!!」
「全て知っているぞ おまえが魔界随一の剣の達人であることを…」
「そしてその腕を隠し武器職人に甘んじている理由もな…!」
「はっきり言って光魔の杖を手に入れた今
余が欲しいのは おまえのその剣士としての力だけだ」
「……見よ あの暗くよどんだ我が魔界の空を…!
いずれあそこに真の輝きを呼ぶ戦いがやってくる!」
「その日のために余は一人でも多くの強い男が欲しいのだ」
「おまえならその最強の軍団の指揮をまかせても良い」
「……どうかな…?」
「………」
「……おちつけミストバーン あの男は本気だ
戦えば余にかなわぬのは判った上で牙をむいているのだ」
「縛ったら死ぬ だが…それもつまらぬ」
「…まあ魔族の人生は長い 気が変わるかもしれん…」
240話「涙の敵陣突入!!!」
「……大破邪呪文か…!」
「人間の神の太古の置きみやげ…」
「これはまた面白いものをひっぱり出してきたものよ…!!」
「…うむ 多少の威力を感じるが余の魔力を押さえるほどではない…」
「だが大魔宮は動かせんな 結界も消えた…
おそらく余の魔力を大魔宮に伝える機能がマヒしたのだ」
「…いや待て…!また別の客だ…」
「……ホウ この闘気忘れもせぬぞ」
「そう出たか…ふっふっふ…!!」
241話「ハドラー最後の挑戦」
「……よかろうハドラー…」
「思う存分戦うがいい…」
「悔いが残らぬようにな…!」
250話「真竜の闘い!!!」
「……"真竜の闘い"!!」
「…そう…」
「これはまさに魔界に名高い"真竜の闘い"の再来だ」
「今から数百年前…魔界の竜族の中でも最強の力を持っていた両巨頭が
遂にその雌雄を決した…!」
「冥竜ヴェルザー…!!雷竜ボリクス…!!
ほぼ互角の実力を持った両者の激突は壮絶なものだった」
「互いの闘気と炎のブレス 魔法力がぶつかりあって
闘いのフィールドは 超高熱の地獄と化した…!」
「立っているだけで生命力を奪われる戦闘空間……そこへ近づくものは
すべて燃えつきたという…!」
「力のみが勝負を決めるこの究極の決闘を制したのはヴェルザーの方だった
そして やつは冥竜王の名を手にしたのだ」
「以来 魔界ではこの闘いは"真竜の闘い"と呼ばれ
史上 最も激しく過酷な決闘として たたえられ続けている……」
「……ふふふっ!括目して見るがいいぞ キルバーン」
「これはめったに見られるものではない…!」
「戦う両者の力が最強のレベル… しかもきわめて等しいときにしか
こんな状態にはならんからだ…!」
「…まさかあやつらがこれほどの闘いを見せてくれようとはな…!!」
251話「出たぞ!!超必殺技」
「あの激闘空間のエネルギーは勝者に味方するのだ」
「あやつらの周囲を包んだ超高熱空間は放出されたエネルギーが
両者の実力が互角であるがゆえに 相手に届かず 周囲に蓄積していったもの…」
「したがって 両者の均衡が崩れた時 あの場の全てのエネルギーが
弱い方へと流れていく! 弱い方…すなわち敗れた方だ…!」
「それが 真竜の闘いの最も恐ろしい所でもある……」
「必殺の一撃が決まった瞬間くらった側に
それまで蓄積された 全エネルギーが注がれる…!」
「敗者には確実な死が与えられるのだ」
「だが そうなるとダイの不利はますます大きくなるな」
「ハドラーの決め手は 当然超魔爆炎覇!」
「アバンストラッシュ対超魔爆炎覇では結果は見えている…!!」
「…それを見抜けん小僧でもあるまい」
「…何をしかけてくるか…」
255話「死神!!殺しの罠」
「……」
「ずい分 早く戻ってきたな」
「血相を変えて飛び出して行ったわりには…」
「…その行為を責めはせぬ」
「戦って負ける相手ではないが 余がダイの力に驚愕したのも事実
この場で殺せればそれにこした事はない 暗殺 大いに結構…」
「…だが!ならば なぜ手をゆるめた…!?
ハドラーと戦い消耗しきった今こそ 最大にして最後のチャンスのはず!」
「…すでに必勝とみて戻ってきたという事か…」
「……」
「…さしもの余も残酷さだけはおまえに及ばん…」
「…おそらく魔界一だろうな…」
258話「ポップ・炎に死す・・・!!!」
「上機嫌ではないか ダイにまんまと逃げられたと言うのに…」
「…おまえほどの男が 人間如きをえらく高く買ったものよ」
「……」
265話「揺れる大魔宮・・・!!!」
「………ミストバーン…」
「ミストバーンよ……!!」
「…何を手こずっているのだ?早く 余の下へ戻れ…!
そして 大魔宮守護に専念するのだ」
「驚くべき事態だ」
「あのアバンめが…よみがえってきおった…!」
「……たわけ…!」
「恐るべきは奴の力ではない 力ならば ダイの方がはるかに優れておる
だが 奴…アバンには力を越えた何かがある…!」
「だからこそかつて ハドラーに真っ先に抹殺を命じたのだ…!」
「余が信じる強さとは 全く異質の強さを感じる男……それがアバンだ!」
「奴を生かしておけばダイたち アバンの使徒の力が
異常に増幅されそうな…そんな気がする…」
「…ふふっ…忘れるなミストバーン」
「同じバーンの名を冠されていても…奴とおまえとは違う 使命そのものが 違うのだ」
「奴の仕事は余の警護ではない 誰かの生命を奪う…」
「それだけだ…!」
「…アバンは かなり切れる男だが 一つだけミスを犯した」
「……それは…」
「……半端に奴を傷つけた事だ…!!!」
「……まあ 死神は今後 黙っていてもアバンだけをつけねらうだろう
おまえはアバンを得て勢いに乗っているダイたちを止めるのだ…!!」
「……おまえか…」
288話「父・バランの遺言」
その通り…!!
「……早く上がって来い…ダイ…」
「丁度…酒も切れたところだ…!」
289話「予期せぬ難関・・・!?」
「…よくぞここまでたどりついた…などと偉そうな事を言うのは やめておこう……」
「おまえの成長も…数々の救援者たちも…余の想像を超えておったわ………」
「ミストバーン キルバーンの両者がそれぞれ おまえの仲間たちに
押さえられている今 もはやこの大魔宮に残るは 余 ただ一人…」
「………ダイよ…!かつてない挑戦者としておまえを迎えよう!!」
「…その天魔の塔の階段を上がり 余の下に来るがいい……」
「……最高の…」
「もてなしをしよう…!」
「……おや?」
「おまえ一人ではないのかな……ダイ」
「…たしか その女…パプニカ王国の姫だったか…」
「………ふふっ…まあ どんな仲間を連れてこようともおまえの勝手だが…」
「竜の騎士というのは どうも代々女を不幸にする存在らしいからな…」
「ふふっ……!…どうでもよい事であったな…!」
「ふははははははっ…!!」
「…」
「………ぬううっ…!」
「まさか こんな事態になろうとはな…」
「あれが自分の意志で動き出すとは 思いもよらなかったわ……!!」
290話「魔宮の心臓」
「魔力炉は…余からの魔法力を受けてそれを
大魔宮全域に伝える働きをする"生きた動力炉"だ」
「だが 現在はあの娘の使った大破邪呪文によって
余からの魔法力を吸収する機能が奪われている…!」
「大魔宮が完成して以来数百年…このような事態はなかった…!!」
「………飢えて…」
「狂ったか…!!?」
291話「起て!宿命の騎士」
「最後の戦いを目前にしながら…ゴロアごとき小心者に殺られるか…」
「勇者にしては情けない幕切れだったな……」
「……いや…!」
「…最後まで…」
「わからん……!」
292話「第2の覚醒!!!」
「竜の…紋章がっ!!?」
「両の拳にっ…!!?」
「……そうか…!そういう事かっ…!!」
「竜の騎士は生涯を終える時 使命を果たした紋章は
聖母竜の宿す新たなる生命へと受けつがれる…!!」
「だが ダイだけはっ…竜の騎士と人間の混血児であるダイだけはっ…!!
生来 竜の紋章を持っておった!! 神から与えられ 長年 継承されてきた
紋章の力ではない 生まれつきの能力として……!!」
「その上に 死を迎えたバランの紋章が継承された!!」
「神々すらも 予想だにしなかったであろう超戦闘能力が
あの時 すでにダイの中で誕生していたのだっ!!!」
「………言わば…!!」
「双竜紋!!!」
「…!!!」
「……脅威だ!!」
「双竜紋!!!」
「…さすが死神の予言よ」
「悪い方にばかり よく当たりよる……」
293話「吠えろ!!!双竜紋」
「もうよい!!!」
「…もうやめよ ドラムーンのゴロアよ…」
「たとえ魔力炉を失っても 余は おまえを咎めはせん」
「その勇者どもには大いなる運命の歯車が味方しているようだ あのまま
天魔の塔を登ってきておったら ダイは まだ余の敵ではなかったはず……!」
「…魔力炉の代わりなど魔界に いくらでもある…」
「だからこれ以上 ダイを刺激するなっ!」
「!!!」
294話「大魔宮の頂上!!!」
「……当たり前だ!」
「……見事に余の主城を吹き飛ばしてくれたな…」
「これほどの真似ができる奴にもはや 手加減もいるまい…!」
「…今 この場で…!!」
「消えてもらおうッ!!!」
295話「恐怖と迷い・・・!」
「…お」
「おおっ…」
「おおおおおっ!!!」
「かああっ!!!」
「………ふぉぉぉっ…!」
「……ダイ お前は 今こう考えているだろう?」
「”二つの紋章の力で 余とどこまでやりあえるだろうか”……と な」
「………双竜紋…!!」
「あの前代未聞の新能力を 余はそう名付けた…」
「竜の騎士の恐ろしさは竜闘気やドルオーラといった数々の超戦力よりも
竜の紋章が秘めた”闘いの遺伝子”によるところが 大きい」
「竜の紋章には長年にわたり 闘い抜いてきた騎士たちのテクノロジーが
蓄積されているのだ 次なる 新たな騎士へと受け継がせるためにな…」
「つまり!」
「竜の紋章は紋章を受け継ぎ世に生まれた時から歴代騎士の戦闘技術を継承した
戦闘の天才なのだ!!」
「おまえは人間との間に生まれた混血児 生来 自分の紋章と騎士の能力を備えて
いたが 経験がなかった だが 今バランの紋章が正式に継承されその上に
プラスされてしまった!」
「すなわちダイ!生まれ持った強さに 歴代の騎士の戦闘経験値が上乗せされた
超騎士が 今のおまえなのだ…!!」
「…もはやおまえの強さは余にも 予測ができん!竜魔神級にとどまるかもしれんし…
それ以上に化けるかもしれん!!」
「……この大魔王バーン…!」
「天地魔界に恐るる物無しと自負してはおるが
予測不可能なものだけは警戒しておく必要がある…!!」
「即時粉砕!!」
「それが余の結論だっ!!!」
「ふはははははっ!!」
「言う事を聞いておけ!パプニカの姫よ!!」
「近づくだけ無駄死に!!」
「どうせ この一撃の前には誰も 何もできぬわっ!!!」
「………どうした!!」
「少しは反撃して来んのか!!?」
「…恐怖に負けたか…?少々興ざめだが…」
「その方が好都合!!」
「そのまま死ぬがよいっ!!!!」
「!!!!」
296話「闘いの遺伝子!!」
「…!!」
「ぬううううっ!!!」
…確実に斬れていたはずがっ…とらえられなかった!!
ダイの動きがっ…!!
予測不可能の動き…!!!
まさか!!!
竜の騎士が 長年積み重ねてきた”闘いの遺伝子”がついにっ…!!?
「………小僧めがっ!!」
「図に乗るなああ――っ!!!!」
…おっ…折れぬかっ!!?
…この程度強い事は判っておる
ドルオーラを放った時からなっ……!!
おそらく 竜の騎士が竜魔人にならなくては竜闘気砲呪文を放てぬのは
生身の状態では 呪文の威力に肉体が耐えきれぬからだ
それゆえ 竜魔人の強靭な肉体に変身しないと 呪文が使えないように
一種の制御機能が備わっているのだろう
そのドルオーラを生身で放てた以上 ダイの強さは少なく見積もっても
竜魔人と互角なのは明白!!
「むぅんっ!!!」
「…余が知りたいのは そんな表向きの強さではないっ!!」
「この一撃で見極めてやるわっ!!!」
「カラミティウォール!!!!」
…いつぞやの余興とは違う…!
全力のカラミティウォールだっ!!!
「……さあ!!」
「どうする!!?」
「!!?」
「…!!」
「…あああっ…!!!」
す…すり抜けおった…!!カラミティウォールの衝撃波をっ…!!
たとえ竜闘気で耐えたとしても噴き上がる衝撃波の威力に 大きなダメージを
受けるはず!!!
……だが!余の光壁と全く同質の竜闘気を 垂直に噴出させ
身にまとう事によって衝撃波の影響を受ける事なく背後にやりすごしたっ…!!
ダイ自身にも…その仲間の誰にも未だかつて 全く見られなかった技術と発想だっ!!
……間違いない!
神々の時代より受け継がれてきた竜の騎士の”闘いの遺伝子”が今
こやつの中で完全に脈づきはじめたのだっ!!!
297話「誰がための勝利 」
「…よく思いついたな」
「今まで一人もいなかったぞ 余のカラミティウォールを立ったまま
いなしてしまおうなどという奴は…!」
「………………」
「………」
「………ふっ…」
「ふっふっふっふっ…!!」
「ふははははははっ!!!」
「は―――っはっはっはっはっ!!!!」
「………わかっていない… 全くわかっていないようだな ダイよ!!」
「ひけをとらんどころの話ではない!!
今や おまえの強さは 余とほぼ互角なのだ…!!!」
「…全く可愛い…!無欲なものよ…!!」
「それほどの力を持ちながら何を成すべきなのかも考えておらんとは…!」
「はっきり教えておいてやろう ダイ」
「それは………」
「天を左右できる力だ!!!」
「…さしもの余も バランにだけは 一目置いた たとえ 竜魔人と化しても 余と
やりあえる相手ではないだろうが 奴には先刻の”闘いの遺伝子”というものがある」
「……余の思いもよらぬ戦い方をしてくるかもしれん」
「そういう相手とは なるべく闘いたくはない」
「それに………」
「そこまでの力が ある者ならば…」
「その強さが惜しくもなってくる…!」
「ダイよ…今の おまえは竜魔人バラン以上なのだ…!」
「元より 竜魔人級の強さを持っていた上に 第2の紋章の闘気力と 歴代の騎士の
闘いの遺伝子を受け継いだおまえは 今まで出会ったどの男よりも強い!!」
「これほど余のレベルに接近した者ははじめてといっていいだろう!!!」
「………念のため…聞いておこう…」
「……余の部下にならんか……?」
「おまえの父はこの問いに”YES”と答えた…」
「純粋な竜の騎士であるがゆえに バランは人間が いかに醜く愚かな生物であるかも
良く判っていた」
「…人間は最低だぞ ダイ」
「おまえほどの男が 力を貸してやる 価値のない連中だ」
「そんな奴らのために戦って…」
「…それで勝ってもどうなる…?」
「…賭けてもいい 余に勝って帰っても おまえは 必ず迫害される…!」
「…そういう連中だ 人間とは」
「奴らが泣いてすがるのは 自分が苦しい時だけだ 平和に慣れればすぐさま
不平不満を言いはじめよる」
「そして…おまえは英雄の座をすぐ追われる…」
「…それは姫よ…そなたがダイに個人的好意を抱いているからにすぎん」
「それではバランの時と変わらん」
「たった一人の感情では”国”などという得体の知れないものはどうしようもない
事は 公事にたずさわるそなたなら ようわかろう…?」
「……だが 余は違う!」
「余は いかなる種族であろうとも 強い奴に差別はせん!」
「反旗をひるがえした今でも バランやハドラーに対する敬意は変わらんよ…」
「…さあ!どうするダイ!無益と判っている勝利のために生命を賭けるか?
おまえの価値を判っている者のために働くか…?」
「いくらおまえが子供でも…この二択は迷うまい!?」
「………どうする!?」
「ダイ…!!」
「………」
「やはり子供よな…」
「甘い英雄の幻想とやらにしがみついていたいのか……」
「!!?」
「………」
「…そうか……残念だ…」
「ふふっ…しかしまったく人間どもにとっては ありがたい騎士よな…!!」
「天下の竜の騎士にここまで言わせるとは……」
「業の深い生物よ…!」
「…思い知らさねばならんっ!!!」
「そんな連中に肩入れしたのが…おまえの最大の不運だという事をっ…!!!」
299話「不安な優勢」
「…どうかな?気分は」
「…一度 敗れた相手を レベルで上回る気分はどうだ…と聞いているのだよ」
「これが 本当にあいつかと思ってしまい にわかには自分の成長度がつかめんだろう?」
「だが…すぐだ」
「すぐにいい気分になってくる…」
「己の強さに酔う…!」
「どんな美酒を飲んでも味わえない極上の気分だぞ………」
「ふっふっふっ…!」
「…ふっ」
「と言っても 子供に 酒の話などわからぬか」
…さあ…!すべて あばき出してくれるぞ!
おまえの強さの神秘のベールをっ…!!
…今のうちになっ!!!
「カイザーフェニックス!!!!」
「かあああ――っ!!!!!」
302話「闇の衣」
「………ダイ…!!!」
「…恐るべし!!竜の騎士よ!!」
「今の…この余の最大の攻撃でもっ…!!!」
「とどめは刺せぬか…!!!」
303話「勝負を賭けた攻撃!!!」
「…なんという奴だ…!」
「自らカイザーフェニックスに飛びこむとは…!!!」
「…あの瞬間 おまえは…!!!」
「カイザーフェニックスをふせいでも この杖の一撃を受ける!!
逆に 剣で ふせいでも炎に焼かれる!!」
「どちらにせよダメージを避けられないと悟るや 自ら炎に飛びこんだ!!」
「一見 無謀だがフェニックスの位置こそが 余のスキをつけ斬り込める
唯一の空間!!!」
「…だろうな!いかに 余に一撃をくらわしたとはいえ
カイザーフェニックスの直撃を受けたのだ」
「ただで済んだら沽券にかかわる…」
ククッ
「…追いうちをさせてもらおうか!」
「!!?」
「………ふっ…」
「ふはははははっ…!!」
「面白いっ!!その攻撃見せてみよ!!!」
「竜闘気呪文……!!?」
「………愚かな!」
「ドルオーラは余に通じぬのをもう忘れたのか?」
「!!!」
「………………」
「!!」
「…なかなかの名推理だが…はずれていたらどうする?
ドルオーラは おそろしく魔法力を消耗する呪文 2発が限界のはずだ」
「魔法力が尽きた時に 余の反撃がきたら……!!?」
「この光魔の杖の光の刃は 大きく噴出させればあらゆる呪文を防ぐ障壁ともなる!」
「おまえの予想通り 余は この杖の威力でドルオーラを止め 爆発をしのいだのだ!!!」
「…これをこらえれば…」
「余の勝ちよっ!!!」
「!!!」
「もらった!!!」
「なっ…!!?」
「おっ…おのれっ…!!!」
304話「大魔王消ゆ・・・!!」
「…ウオオオオッ!!!!」
「…お… …おっ…」
「…お…」
「おっ…!!」
「おおおぉお―――っ!!!!!」
311話「影(ミスト)と死神(キル)」
「……余だ」
「そういう貴様は…?」
「………キルバーン…だと?」
「!!」
「まさか…あやつのッ…!!」
「……ふっ…協力者か…」
「ふははははっ!」
「笑わせるわ その協力者も 我が計画がしくじろうものなら
たちどころに余の暗殺者へと早変わりするのだろう?
「つまり地上破滅計画の監視役」
「KILLVEARN…つまり"バーンを殺せ"という暗号名か……!」
「………面白い」
「そんな物騒な死神を飼っておくのもまた一興かもしれん」
「こやつもおまえと同じ魔界の強者…余の片腕だ」
314話「バーン最大の謎」
「………ふ…っ… しのぎ…きれんとはな………」
「この…光魔の杖をもってしても…」
「しのぐどころかこの杖に 命を救われたわけか…」
「…大した奴だ… 心底…!!」
「……ふ…ふふふ…」
「あやうく"様子見"で死ぬところだったわ…!」
「十二分に評価しているつもりでも…」
「さらにその上をおまえはいきおった」
「このまま殺されてはたまらんよ… くっくっ……!」
「………一応…」
「この肉体が本体なのでな……!!!」
「………ミストバーンよ……!!!」
「もう良い 素直に 認めようではないか
こやつらの力が我々の予想以上だった事をっ…!」
「余もダイに殺されかけておる」
フフッ
「どうやら おまえに長年 預けてきた物を 返してもらう時が来たようだ…」
「………余は…!かぎりなく永遠に近い生命を得るために自らの肉体を二つに分けた…!」
「叡智と魔力のみを残した この肉体をベースに…!」
「若さと強さをもう一つの肉体に分離させた…!」
「そして 皆既日食が来る度に凍れる時間の秘法をかけ 全盛期の肉体を
封印し続けてきたのだ…!!」
「今 それが一つに戻る…!!」
「何千年ぶりだか…」
「とうに忘れてしまったが な…!!!」
・・・え?真・大魔王?