単行本ラスト、千桜が1つの可能性として語っていた「0%だったものを1%にしてあげたかったのではないか」という推論。あくまでそれが当たっているという仮定、というかほぼ全て妄想トークになるんですけど・・・。
マリアさんは、ハヤテのごとく!における最強の勝負師とも言える存在です。単体で見ると勝つことも負けることもありますが、最終的には「どう転んでも自分にとって良い形に繋がる」という戦い方ができる人です。
そして、最終盤において0%から1%にできると見込んでいたとして、たぶんですけど、ただ1%にするだけなら、本当に最初の頃でも可能だったと思うんですよね。
ただ問題は、あくまでその1%が100%にならないと意味がない。そして、そこの変化はマリアさん個人がどれだけ勝負師だろうが自分で調整できない範囲です。額面上は1%であれば可能性はありそうに見えますが、ただそれで勝負に出るという選択肢はないでしょう。なぜなら、マリアさんにとって「一番大切な人の、一番大事な願い」なわけですから。
で、千桜の発言に繋がるわけです。自分以外の誰かがナギを奮い立たせた。あの時点で、既にマリアさんの中では1%のその先が見えたんだと思います。その意味で、あれは原因というよりは、千桜の「おかげ」だと思うんですよね。
そして、あの幻のマリアさんの「私の信じたハヤテ君」という表現。最後のピースは、やっぱりハヤテだったんだろうなぁと。周囲の環境の変化こそあれ、結局ハヤテのナギの間の問題は、最終的にはこの2人で解決するしかない。そこまで考えに考えた上で、ここしかないタイミングでナギの元を離れるのが、唯一の勝ち筋だったような気がしてなりません。
もう1つ、ナギ自身の成長という点でいえば、かつて語ったマリアさんの夢、即ち「ナギが真人間になること」というのも重要なポイント。少なくとも、当時のマリアさんにとってそれは「夢」でしかなかった。そして、ナギが真人間になることもまた、1%を100%にする大事なピースだったんでしょう。そのために必要な年数も考慮して、意識して離れて生活する選択をして、そして帰ってきたわけです。例のおまけマンガの生活の中でも、マリアさんはその一世一代の大勝負を続けていたと思うと、ただたださすがと言う他ありません。
そして何よりも、最後は美味しいところ、即ちサンタより素敵なプレゼントを受け取りに行くのがマリアさんたる所以。やはり、ハヤテのごとく!という物語は、マリアさんの想像を超えた周囲の成長と共に、何だかんだでマリアさんの思い描いた、たった1つのトゥルーエンドに辿り着いた作品だったのかもしれないなぁと、今あらためて思う次第です。