牧村さん作のアンドロイド「シィ」ちゃんが大冒険を繰り広げていたかもしれない、そんなお話の感想です。
女の子はお金がかかる
何かやるには食べ物で燃料補給、今度は服がいるということでお買い物。ひと通り終わったと思ったらまた燃料補給、という無限ループって怖くね状態に突入してます。食べ物はともかくとして、古着に抵抗を示す辺りは女の子らしいといいますか、展開として非常に新鮮味がありましたね。まあ、そういう思考回路を搭載した牧村さんが、言動とは裏腹に意外と乙女なのか、或いは自分なりに研究した成果をアンドロイドに導入しているのか、定かではありませんが。
文が振り回される
前々から思っていたのですが、「周りを振り回す文」よりも、「周りを振り回すような文すら振り回される」光景という方が、絵になって面白いなぁと。これは文の魅力ということだけでなく、シィちゃんのキレの良さも含めての話ですが。
非常に高いニート力
困ったときの三千院家ということで、文やシャルナちゃんはシィちゃんを連れて三千院家にやってきました。そこで色々質問した限りでは、常時ネット接続で2ちゃん監視もできるとか、ゲームでは人間には負けない能力があるとか、そういうスペックらしいです。食べ物を頻繁に要求する点も含めると、ニートとしての完成度はかなり高そうな印象。
・・・しかしながら、「人間にゲームで負けることはない」というのは、フラグ以外の何物でもないですね。なぜなら、ゲームが得意であるマリアさんが目の前にいて、しかもシィちゃんの製作者は、他ならぬ牧村さん。人間には負けないと言いつつマリアさんが勝ってしまい、牧村さんとしては改めてマリアさん凄いという話になり、より一層マリアさんを最終目標としたロボ開発に繋がる流れでしょう。また、はるか昔にマリアさん非人間説があったように、人間にゲームで負けないシィちゃんにマリアさんが勝利することで、やっぱりマリアさんは人間じゃない派が黙っていなさそうな予感。そんな派閥があるかは存じませんが、
見た目では判別不可能
シールや繋ぎ目も無くせる云々というマリアさんの発言からモデラー臭がするなぁと思いましたが、それ以上に気になるのは、「人間と判別がほぼ不可能」という点。そして、アンドロイドタイプ計5体のうち、3体は逃走してしまったという情報も加味すると、これまで、或いはこれからの登場人物の中に、「人間と思っていたけど実は牧村さん作アンドロイドだった」というパターンも十分ありえるのかなーと。ただ、見た目と性能がトレードオフの関係にあるなら、ある程度特定もしやすいのかもですが、どうなんでしょう。まあ、ケレ・ナグーレちゃんのように真の姿を隠して生きているハイスペックキャラなんかは、三千院繋がりも含めて、中々可能性がありそうな予感もしますが。時系列とかそんな話は存じませんね、はい。
アンドロイドはあまり作られていない事実
あの製作スピードを誇る牧村さんが、アンドロイドタイプを過去5体しか世に送り出していない、という事実。それだけ難度が高いということで、やはりアンドロイド型マリアさん実現にはかなりの時間を必要としそうです
メカ執事13号とは何だったのか
今回はロボの性能が見た目とトレードオフみたいな話がありましたが、メカ執事13号の驚異的なハイスペックはなんだったのかなぁというのが、少しばかり気になる所。少なくとも、パッと見明確な弱点とか欠陥も見当たりませんでしたし。
ただ、他のメカは基本一瞬で作っているような描写が多いですから、メカ執事13号は明確な意図をもって、かなりの時間や金をかけて作られた、と考えるのが自然でしょうか。少なくとも、あの時点で出来うる最高傑作といえるレベルには到達していたんじゃないかと。もっとも、それでも究極目標のマリアさんには届かない(それでもマリアさんを手玉に取るくらいには有能)わけで、まだまだ牧村さんの研究は続きそうです。
癒やし効果の重要性
シィちゃん自身が考える、アンドロイドの機能として重要とされるもの。癒やし。卑しいシィちゃんらしい発想、かどうかはさておき、そんな思考回路を持つアンドロイドを作っているのが、あの牧村さんというのは興味深いです。これはメカ執事13号にも、それこそエイトにも言えることなんですけど、ぶっ飛んだ戦闘タイプを除くと、牧村さん作のロボは、全体的に癒やしなりサポートなりに重きを置かれているんですよね。おかしな能力がついていたり、言動がちょっと特殊だったりするだけで、ロボ作成の基本的なコンセプトは意外とまともで、長きに渡りズレがない、とも言えます。
そんなこんなで、牧村さんのぶっ飛んだキャラの中にも一貫性が見え隠れし、また文の新たな魅力を少しばかり垣間見ることできた、今週のお話でした。