誰も傷つけたくない、という理由から姿を消した琴浦さんでしたが、当然それではただのBADENDなわけで、話は動き出します。
予想はしていましたが、腑抜けてしまった真壁に対して発破をかけたのは、他でもないESP研の2人、というか選択肢的に本人が動かないとこの人達以外にはありえないんですがそれはそれとして。
しかしまあ、予想通りに室戸副部長の存在感が際立っています。純粋なイケメンモードから繰り出される発言の数々もさることながら、一見スキが無さそうでユーモラスさも十分で、自分的には久々に大当たりの男性キャラと言える存在になりつつあります。
今回の話ではそれが顕著で、特に色々完璧そうにこなしながら肝心の宿の手配だけ抜けていたあたりがちょっとホッとしました。ここも含めて完璧超人、といかないあたりが、彼の真骨頂なのでしょう。もう次回作は「室戸くん」というタイトルで良いのでは?と思いつつ、本音としてはこういうキャラはサブでぼそっと言葉を発したり謎能力を発揮すればこその魅力でもあるんですよね。
まあそんな室戸くんフィーバーはともかく、琴浦さん捜索のおりにたどり着いたのは、1話にて登場したあの坊さんのお寺。琴浦さんのおじいさんにしてもそうですけど、周囲には理解者とそうでない人の二極化が激しかったんですなぁ。まあ、その理解者があまりに少なかったこと、何よりも同世代の人間にそういうタイプに出会えなかったことが彼女の引きこもりを加速させたのでしょう。
そんなこんなで琴浦さんは実家に戻っていたわけですけど、嫌々ながらもおじいさんの要望でスキンシップをはかる辺り、それだけ感謝の気持やら何やらあるんでしょうね。実際、あれな妄想されても拒絶したりはしなかったわけで、ある意味ではおじいさんの人柄の良さと、何だかんだ頼まれたら断れない琴浦さんらしさがよく出ていたシーンだったんじゃないかと。
で、最終的にはESP研の3名がその実家に押しかけ、琴浦さんを捕獲。琴浦さんが引きこもる理由も、真壁が引き戻そうとする理由も、そんな背中を押す部長&副部長も、まさしく最終回のノリそのもの。毎回が最終回、とはよく言ったものです。「バカには悲劇のヒロインごっこは通じない」という室戸副部長の台詞は、まさしくこの作品を象徴するものではないかと思った次第です。
・・・というわけで例によってシリアスとコメディタッチの落差が激しい琴浦さんでしたが、こうなるとあとはあれだけ畜生な描かれ方を一貫してされてた森谷氏に感情移入できるか、そして最強の切り札たる琴浦さんの両親(OP的には母親が関わる?)がどう絡んでくるかに注目しつつ、最後の最後にはちょっとOPっぽい描写が妄想以外の世界で見れることに期待したい所です。