西沢さんの弟にして、かつてナギに片想いをして、猛烈なアタックをした男。その名は、西沢一樹。
作品の展開上、彼は本編途中で実質的にフェードアウトしてしまいましたが、彼はハヤテのごとく!という作品に何を残してくれたのでしょうか。
・
西沢一樹と恋の行方・・・? ・
西沢一樹は西沢歩化の夢を見るか? 過去に西沢一樹個人についてまとめた記事は2つ。もちろん、最初から当てる気のない予想というか妄想でしかなかったので、10年ぶりに読み返すと、あーそんな訳わからないこと書いてたなーという程度でしかないのですが・・・。
ただ、個人的にはある程度予想していたとおりなんですよね。元々、自分がナギと西沢一樹の関係が進展する上で大事なポイントとして、当時使っていた表現が「不条理な生活を強いられていたナギに相応しい将来」と書いていました。
つまり、自分の中では、ハヤテとの関係どうこうより前に、三千院家という枠組みの中では上手くいかないから、そこから完全に外れた西沢一樹路線はありえると踏んだわけで。実際本編はその後ナギが三千院家の庇護を離れ、自ら成長した上でハヤテと再会して・・・という流れになってました。そういう意味では、当時自分が思い描いた西沢一樹路線が、違う展開によってハヤナギという結論にたどり着いたんですよね。作品の展開上、終盤に彼の存在は実質なかったことにされていますが、そのDNAは確かにハヤテのごとく!の物語をキレイな着地点に導いたのではないかと、個人的には思っています。
そしてもう1つ。西沢さんという姉の存在の大きさ。西沢一樹と共に、ハヤテとナギに熱い想いを寄せ続ける姉弟だったわけですが、ぶっちゃけ西沢さんの存在が大きすぎたんですよね。実際、物語中盤以降、ハヤテとナギ「両方」に強い影響を与えることができていたのは、マリアさん以外では、西沢さんくらいだったと思うんです(アーたんですら終盤はそうでもなくなっていた)。姉弟ではなく、西沢さん一人で十分物語を進展させられる、ならばあえて西沢一樹の出番が必要な状態にはならなかったんですよね。
だから、前述の通り物語の着地点に彼のDNAが影響してるとすれば、西沢さんは弟の想いもあわせて、物語の中心を担う人物として最後の最後まで輝き続けてたと。もし西沢さんがそこまで人気が出なければ、あるいは西沢一樹本人が早い段階で人気を獲得できてれば、フェードアウトはなかったんじゃないかなぁと。事実、ハヤテのごとく!というのは物語の展開において、誰かが実質的に別の誰かの役割を担うというパターンはあったように思いますし。
確かに、西沢一樹は作者からも、大多数の読者からも「なかったことにされた」・・・ように見える、かもしれません。しかし、作品が完結した今でも、私はそうは思っていません。彼は、西沢一樹は、間違いなく、ハヤテのごとく!の物語を大きく動かす存在になった。特にハヤテとナギを中心として、西沢さんがキーパーソンとなったラブコメという展開において。いつの日か、ハヤテのごとく!を新たに読み始めることになるかもしれない人たちに向けて、私はそう言葉を記しておきたいと思います。